以前、知り合いの会社の引っ越し作業を手伝ったことがあります。
書庫に収められたファイルを全て床に並べたとき、よくこれだけの書類が入っていたものだと驚いたことを思い出します。
そもそもオフィスには大量の書類が存在します。電子化のおかげで少しは減ったかもしれませんが、今も公式文書は紙でなければならないものも多いようです。
書庫の役目は、「オフィス内の様々なファイルや書類を用途にしたがって効率よく出し入れできるように整理収納する」ということになります。また、書類や事務用備品類を立体的に収納することで、限られたスペースを有効に使うことが出来ます。
ということで、今回は書庫のサイズを決める際、最初に確認しておきたい「高さ(H)」について考えてみましょう。
書類サイズについて
1993年4月1日より各省庁がA判化を開始したことで、公式の書類サイズは一気にA4判(297 mm ×210 mm)が利用されるようになりました。そのことで以前使われていたB判は徐々に影が薄くなり、今ではオフィス内ではほとんど使われなくなってきました。
かつて主流だったB5サイズは今では大学ノートなど個人利用の文具類に留まっている状況です。
私はノートやレポート類はA4サイズだと少し大きいなぁと感じているので、個人的には昔から持ちなれたB5サイズを選んでいます。
棚間1段の高さを315ミリは確保したい
さて、A4サイズの書類の束を収納するには、一旦ファイルに綴じるかファイルボックスに入れるのが一般的な使い方になります。
例えばA4ファイルに綴じるとしたら、ファイルは用紙よりタテヨコにプラス15ミリほど大きくなります。なので、これを収納するには棚板間の高さ(タテ)312ミリ(297㎜+15㎜)、奥行(ヨコ)225ミリ(210mm+15㎜)以上確保しなければなりません。
奥行(D)については、現在販売されている一般的なオフィス書庫の奥行は小さいものでも外寸400ミリ・内寸350ミリはあるのでA4ファイルをタテ・ヨコいずれの方向で収納しても充分なサイズが確保されてます。
高さ(H)については棚1段高を315ミリは確保するように調整してください。また収納を予定している書類の量や、書庫本体を設置する部屋のサイズなども合わせて考慮するようにしましょう。
以下、現在販売されている一般的な壁面書庫のサイズを一覧にしました。(イメージ:オカムラ2015版より)
イメージ (数値は内寸) |
高さ(mm) | 特徴 |
350 | A4ヨコ1段 積み重ねた書庫の最上段に設置する |
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400 | A4タテ1段 積み重ねた書庫の最上段に設置する |
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700 710 |
A4タテ2段(棚板1枚付) 書庫2台を重ねる場合上置きとして使われることが多いが、机とほぼ同じ高さなので床に置いて使われることもある。 |
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900 915 |
A4タテ2段+15センチ程度の余裕がある A4ヨコ3段 (棚板2枚付) 公式文書がB5サイズだった時代に最も使われたサイズ。 |
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1050 | A4タテ3段(棚板2枚付) A4ファイルの上下に余裕が少ないので取り出しの際は棚板と平行に取り出す。 |
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1200 | A4タテ3段(棚板2枚付) H1050に比べて上下高に余裕があるので、ファイルなど出し入れしやすい。 ※図のように4段で使用する場合は棚板の追加が必要。但しA4タテのファイルは入らない。 |
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1800 1750 1810 |
A4タテ5段(棚板4枚付) 最も一般的なサイズで、ロッカーなどもこの高さのものが多い。 ※図のように6段で使用する場合は棚板の追加が必要。但しA4タテのファイルは入らない。 |
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2100 | A4タテ6段(棚板5枚付) 棚の1番上のファイルは手を伸ばせば出し入れできる。 これ以上高さがあると出し入れの際脚立が必要になります。 ※図のように7段の場合は棚板の追加が必要。但しA4タテのファイルは入らない。 |